アニメ「魔法使いの嫁」の各話サブタイトルについてまとめています。
「これってどういう意味?」を知ると
「魔法使いの嫁」をもっと好きになるようなサブタイトルばかりです。
英語のフレーズだからと見過ごしてしまうには勿体ないくらい素敵。
心に留めておきたくなるような言葉に意訳してみたので
アニメ「魔法使いの嫁」のよさをもっともっと深めて貰えたら嬉しいです。
今回は 第9弾 第17話のタイトル和訳です。
「魔法使いの嫁」はアニメ作品が出会いです。
原作にまだ触れていないぶん理解の浅さはあるかもしれないけれど
各話ごとに最低3回は観返すほどに”好き”という気持ちは確か。
よろしければどうぞお付き合いください!
TVアニメ「魔法使いの嫁」公式サイト ©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会
- #17 Look before you leap.
- サブタイトル「Look before you leap.」の和訳と解説
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹チセができること、チセだからできること
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹対価―与え、与えられるということ
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹チセもまた交渉し対価を支払うことを学ぶ
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹エリアスの見据えるもの
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹灰の目が戒める「言葉」とは
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹兄として、経験者として支えるルツ
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹チセの居場所
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹入り混じる姿形
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹人の本気も言葉も強いもの
- 「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹光と影、温かさと冷たさ
- 〖ひとりごと〗続きます
- アニメ「魔法使いの嫁」を観るには
#17 Look before you leap.
サブタイトル「Look before you leap.」の和訳と解説
「跳ぶ前に見よ」
「よく見てから跳べ」と訳すと馴染みがよいね
このフレーズは
「跳ぶ」に「leap」
「見る」に「look」
という単語がそれぞれ用いられています。
「跳ぶ」も「見る」もいろいろな英単語があるなかで
あえて「leap」と「look」が使われていることに意味を感じます。
まず第一に、「leap」には「跳んで移動する」というニュアンスが込められています。
跳ぶこと自体の「動作」ではなく、跳ぶことで「移動」を伴うことに重きを置いている単語。
「その場で跳ぶ」よりも「跳び越える」という意味合いで使われます。
同じところに留まらないということに着目したいところ。
そして第二に、「look」は「意識的に視線を向ける」というニュアンスの「見る」です。
つまり、見る人の「意志」が必要だということ。
これらを踏まえて意味に触れていきます。
何か事を起こす前に、その先に起こりうる結果をよく考えよ
思い立ったままに行動するのではなく、それが何を招くのか一歩立ち止まって考えるのが大切だという教えです。
日本の諺だと「石橋を叩いて渡る」「転ばぬ先の杖」に近いです。
それぞれ「慎重には慎重を重ねよ」「あらかじめ周到に備えよ」と用心を怠らないことを説いています。
これらに対して「leap=跳び越える」という単語が使われているところに前向きな印象を感じます。
人は現状維持を望みがちなもの
だからこそ「変化」を伴うこと、行動することありきのこのフレーズが前向きに思えるのかも
「どちらが先か」というのはよくあるお話で
行動しなければ 何も始まらないというのも事実。
「これまでにないことに踏み込もうというときは、行動の先には思わぬ困難や危険が待ち構えていることも想定せよ」
くらいに歪めて解釈したら「leap」が活きる気がして面白い。
結果なんて事前に見極めようと思って得られるものでもないもんね
第17話は
ステラがイーサンに発した心にもないひと言が
大切な存在―縁を失わんとする恐ろしい出来事を招いてしまうというそんなお話。
ステラ、イーサン姉弟がこの戒めに反してしまったのに対し
チセはこれに沿えていたのが対照的に物語られているのがとても綺麗に映える。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹チセができること、チセだからできること
「私いま、ほとんど何もできないんだ…たくさん貰ってるのに何も返せてない」
アニメ『魔法使いの嫁』第17話 羽鳥チセのセリフより
「体が動くなら―動いてできることなら 何でもやろう」
無限に魔力を生み出してしまう体質のチセは
貰ったクリスマスプレゼントによって魔力の制限を受けます。
魔力を縛られたチセは、人間としての振る舞いによって成し遂げられることを探しに行く。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹対価―与え、与えられるということ
「君は何を支払ってくれる?」
アニメ『魔法使いの嫁』第17話 エリアス・エインズワースのセリフより
「僕らは人を助けるとき、見合った対価を貰う。
君は僕たちに何をしてくれる?」
イーサンを探すのを手伝う代わりに
その見返りをステラに要求するエリアス。
子供に支払えるものなんて限られている。
それでも ステラは自分ができることのなかから精一杯の対価を絞り出す。
まだ持たないものですら 自分の未来を捧げることで対価にしようという覚悟を見せます。
「両親の弟に関する記憶の喪失」「魔法使いとの出会い」―どんな非日常なことに巡り合っても
ステラ自身は弟を失うことが何よりも怖いこと。
「失いたくない」という思いの強さの裏に、弟との繋がりが確かにあることを感じさせます。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹チセもまた交渉し対価を支払うことを学ぶ
イーサンを探していくなかで チセもまた対価を支払うことを学んでいきます。
“隣人”たちと交渉し、自分の身をも削りながら
「ステラは気にしなくていいよ」「大丈夫」と声を掛ける。
魔力の制限を受けてもなお、視えないはずのものは視えるし、魔力の結晶も生み出せる。
「ほとんど何もできない」「体を動かしてできることは―」
チセの自分に対する認識とは裏腹に、魔法使いとしての素質は制限しても失ったことにはならない。
ここでのチセが身を犠牲するという行為は、今までの流れのままに身を任せていたときのそれとは質は違う。
それは ステラの笑顔と「ありがとう」がすでに彼女にとっての対価になっていたから。
抗う必要のない、チセが自ら選んだ意味のある行為。
それでもステラはそんなチセを見過ごさない。
ステラが支払おうと思っている対価以上にチセが失っているものがあまりにも大きいことを
実情が視えないとしても見逃さない。
「驚かせてごめんね」「ありがとう」
この言葉のやり取りも
気持ちという目に見えないものだけれど、確かに互いにとって対価に為り得るもの。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹エリアスの見据えるもの
「いいよ」
あっさりチセの外出を許すエリアス。
「チセ、詳しく」
血を与えることで対価を支払うというチセの交渉を許すエリアス。
どちらも エリアスにとって価値のあることだと見据えて見守る立場にあろうとしているのかな。
チセが魔力を使い命を削ること
身を削ってでも 魔力を使わずに生きる術をチセに身に付けてもらうこと
彼は彼できっと天秤にかけて選んでいる。
「Look before you leap.」
チセを生き長らえさせることを見据えて、エリアスが支払う対価。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹灰の目が戒める「言葉」とは
「我々は人の言葉をよく聞く。
アニメ『魔法使いの嫁』第17話 灰の目のセリフより
言葉や文字は魂のこもる音と形。
誰かに届いてしまえばもう取り消しは出来ぬ」
「今更よ。
吐いた言葉がどんな者に気に入られるか分からぬぞ」
前話のサブタイトルにも通ずる。
誰かを傷つけるような「悪」にも為り得る言葉ならば
それを発したものに跳ね返る可能性を忘れてはならない。
言葉を世に放つ前に、それが誰かに届くことを想定せよ
という戒めです。
自由に言葉を吐ける現代だからこそ刺さるね
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹兄として、経験者として支えるルツ
「自分と弟を信じろよ。
アニメ『魔法使いの嫁』第17話 ルツのセリフより
泣くぐらい想っているなら、そう簡単に繋がりなんて切れない。
家族でもなんでも、そういうのは―」
チセたちに可能性、希望を与える言葉をかけるルツ。
お兄さんしているね
好き
取り返しのつかない終焉としての「縁の途切れ」をすでに経験しているルツ。
「失われたもの」「過去」にしがみついていた経験があるルツだからこそ
「消えない繋がり」あることを知っている。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹チセの居場所
「もう自分の場所は決められたから」
アニメ『魔法使いの嫁』第17話 羽鳥チセのセリフより
チセは 人狼の毛皮を纏うことでエリアスたちを探すことを思いつく。
第14話より
人狼の毛皮は纏った人の望みのままに「在るべき野」すなわち「帰るべき場所」に向かわせる力を持っています。
当時は彼女自身も見知らぬ「向こう側」へ行こうとしていた様子を傍らで見ていたルツの心配とは裏腹に、今のチセは笑顔と意志を見せます。
「Look before you leap.」
チセの本能を野生のそれに委ねても、その先にある居るべき場所はすでに彼女のなかに見据えられている。
すでにチセの居場所は確かに在る。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹入り混じる姿形
チセの体にエリアスが宿るシーンを始めとして
チセもエリアスも元の種ではない姿に変えるシーンが際立っています。
チセは獣の身を纏い
エリアスは人間―チセの姿を纏う。
「追え、追え」「嗅ぎ取れ」「私のモノを」
獣と化したチセは、彼女の望み―エリアスを求める。
チセの容姿をとったエリアスは
イーサンとの対話のなかで「家族」という存在が何かを学ぶ。
「血の繋がり」は繋がりとしては決定的だけれど、目に見えないもの。
「他の誰かじゃ嫌だ」「あなたがいい」という”唯一”も血縁と同じく目には見えないものだけれど、それが家族の繋がりになるもの。
ここでのエリアスはチセの容姿を借りるというある種の同化をしている。
それはきっとチセのことを考えるきっかけにもなる。
人の容姿をとったエリアスは表情を変えてくれるんだね
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹人の本気も言葉も強いもの
「人の本気を見るのは楽しいものだ」
アニメ『魔法使いの嫁』第17話 灰の目のセリフより
「人の言葉は強い。
故に我らは人の傍らでそれを聞く。
心せよ”持たぬ”子よ」
ステラとイーサンが証明してくれたように
お互いに記憶する名を失っても繋がりは絶えない。
“持たぬ”子であるステラの見せた本気が “持つ”側のチセにも波紋を広げ
“持つ”側のチセが魔力の結晶を生み出し”持たぬ”子であるステラに与える。
灰の目が途切れさせた縁は
2人の人間で取り交わされた対価によって元通りになる。
「魔法使いの嫁」第17話の感想▸▹光と影、温かさと冷たさ
「友達」という新たな”唯一”を得たチセ。
それを傍らで見守るエリアスが得たものはなんなのか。
光が強くなると影もまた濃くなり、温かさがあるからには冷たさもある。
表にはされないエリアスの表情には、今まで彼のなかにはなかった感情が込められている。
もしもこのときエリアスが人の姿をしていたら
彼の表情が見られたのでしょうか。
〖ひとりごと〗続きます
書きたいことがもくもくしてきてとっ散らかってしまう今日この頃です。
かと言って書く時間をしっかりと設けられるでもなく
文章を書くのが上達するでも速くなるでもない。
そして訪問してくださる方の要望に添えておらずごめんなさいという気持ち。
「魔法使いの嫁 SEASON2」のサブタイトルの和訳を知りたくて来てくださるんだろうなとは薄々感づいております。
とりあえずSEASON1の和訳を完結しないことには自分のなかのとっ散らかりはすっきりしないんだろうなあと思っているので突き進みます。
何度もアニメを見返しながら書くのは楽しいです。
今回はいろいろなことがサブタイトル帰結する感じがとてもよかった。
私に書けることと感じられることで魅力を語るんだ。
えいえいおー。
アニメ「魔法使いの嫁」を観るには
よいものはよい。「魔法使いの嫁」はよい。
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