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〖魔法使いの嫁〗アニメ 各話タイトル和訳まとめ〖#22〗

アニメにっき
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はじめに

アニメ「魔法使いの嫁」の各話サブタイトルについてまとめています。

「これってどういう意味?」を知ると
「魔法使いの嫁」をもっと好きになるようなサブタイトルばかりです。

英語のフレーズだからと見過ごしてしまうには勿体ないくらい素敵。

心に留めておきたくなるような言葉に意訳してみました。

アニメ「魔法使いの嫁」のよさをもっともっと深めて貰えたら嬉しいです。

今回は 第14弾 第22話のタイトル和訳です。

「魔法使いの嫁」はアニメ作品が出会いです。

原作にまだ触れていないぶん理解の浅さはあるかもしれないけれど
各話ごとに最低3回は観返すほどに”好き”という気持ちは確か。

よろしければどうぞお付き合いください!

TVアニメ「魔法使いの嫁」公式サイト ©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

  1. #22 As you sow, so shall you reap.
    1. サブタイトル「As you sow, so shall you reap.」の和訳と解説
      1. サブタイトル「As you sow, so shall you reap.」の解釈
      2. 第22話に込められる「As you sow, so shall you reap.」〖パターン1 チセの場合〗
      3. 第22話に込められる「As you sow, so shall you reap.」〖パターン2 カルタフィルスの場合〗
    2. 「魔法使いの嫁」第22話の感想
      1. 開かない扉、眠りと夢
      2. 夢と現うつつの彼、曖昧になる存在
      3. 「対極」でありながら「同じ」であるならば
      4. 交渉、祝福にちらつく呪いの影
      5. 異形≠呪い
      6. カルタフィルスの戸惑い
      7. 置換された左眼から見える世界
      8. 同じフィルターが同じものを等しく映すとは限らない
      9. 呪いへの耐性
      10. 「何もしないで 起きたら何もかも良くなってるなんて―」
      11. カルタフィルスがチセを嫌悪する理由
      12. 知っていたはずの場所、名、そして笑顔
      13. 雨宿り
      14. 「似ている」
      15. 羽鳥家のありふれた日常
      16. 現実と夢、呪いと祝福
      17. 覆われ隠される、心と記憶
      18. 開かずの扉
      19. 埋もれる余白、それは赤く澱みを帯びて
      20. 雨上がり、壊れた心と溢れる涙
      21. 本当の、
      22. 手放し、繋がっていく
        1. ポピーの花について解説
          1. 「ポピー」という名前の由来
          2. ポピーの花言葉について
          3. 赤いポピーの花言葉
          4. 白いポピーの花言葉
          5. 黄色いポピーの花言葉
      23. それぞれの「As you sow, so shall you reap.」
  2. 〖ひとりごと〗続きます
  3. アニメ「魔法使いの嫁」を観るには

#22 As you sow, so shall you reap.

サブタイトル「As you sow, so shall you reap.」の和訳と解説

直訳すると

「種を蒔くのと同じようにして、あなたが刈ることになるだろう」

「蒔いたからには、刈らねばならない」
という意訳は ストレートな感じがして好き

「自分で蒔いた種は、自分で刈り取ることになる」
という意訳も 私自身の戒めになりそうな感じがして好き

as~,so…」という文法が使われたフレーズです。

~のようにして、…する
~と同様に、…である
と訳します。

「,」の前と後ろとで”同等“であることをイメージさせる表現だね

「shall」は助動詞に分類されます。

「should」という助動詞はよく見聞きするかと思うのですが
実は「shall」の過去形にあたります。

「shall」が現在形、
「should」がその過去形ってことだね

助動詞「shall」の意味
  1. 決意・意志などを表して〗
    ~するつもりである
  2. 他者に対して強制の意味を込めて〗
    ~すべきである、当然~だろう
  3. 〖契約書や規格書などにおいて、義務・命令として〗
    ~しなければならない、~するものとする
  4. 〖疑問文での文脈で、提案として〗
    ~しましょうか
  5. 運命や必然性にそうさせられる状態、未来を示して〗
    必ず~となるだろう

いっぱいある……

「shall」の意味に込められるイメージは「不可避」だそうです

それが「義務」や「必然的な未来」という意味に繋がっているんだね

ちなみに「shall」の過去形にあたる「should」には、
義務」「当然」という意味合いがより強く込められています。

「~すべき」という文脈で使われる助動詞であることに納得です。

今回のフレーズで使われる「shall」は
必然的な未来」という捉え方で訳しています。

意志とは無関係に、自然な成り行きとしてそうなる未来
というイメージ。

今回の表現の直訳では
「~になるだろう」
と表現の仕方をしています。

「,」の後半は
主語と述語が倒置された表現です。

独立した1文として捉えて、主語と述語を
「you shall reap」
のようにして置き換えると読みやすくなりますね。

「,」の前後で同等ではあるけれど
「必然的にそうなるだろう」
という文脈を強調したいから倒置されているのかなあと私は捉えています。

こういう倒置って「何故?」て気になりがちだけれど
「as~,so…」というフレーズで
「so」に導かれた先での倒置表現はよく起こるみたいだね
きっとそういうものなんだ(アバウト)

サブタイトル「As you sow, so shall you reap.」の解釈

さて、ここまでの和訳を踏まえて
次はサブタイトルの示す意味についてです。

意味

行動した結果は必ず自分に返ってくる
自分の行為に対する報いは受けなければならない

四字熟語でいうと「因果応報」に近いです。

「悪い行い」について焦点を当てたときの
「自業自得」という表現でもイメージしやすいですね。

因果応報」は

行為の善・悪にそれぞれ相応した報いを受けること
自業自得」は

行為のうち悪行に対する報いを受けること

……という違いがあるんだよね

このフレーズでは
主語「you」を軸に置いて
「sow」=「種を蒔く」
「reap」=「刈り取る」
という”行動の連鎖”があることがわかります。

蒔く種の種類や量が変われば
収穫する作物の種類や量も当然変わります。

何を選ぶのか、
そしてそれにどのように向き合うのか。

それによって
もたらされるものはものは何か、
どのように反映されるのか。

農耕にまつわる行動と結果の連鎖を
人生という大きなテーマになぞらえて
教訓として伝えられているんだね、面白い

人生についていうならば
「自分の選択や行動に責任を持つ」
ことを説く教えになると思います。

もう少し柔らかく言い換えると
「自らが選択して行動した結果がもたらすものを受け入れる覚悟をせよ」
という感じかな。

柔らかいか?

生きていくうえで経験するできごとは
直接的であるにしろ間接的であるにしろ
自身の行動が招く結果であることを思い出させてくれます。

第22話に込められる「As you sow, so shall you reap.」〖パターン1 チセの場合〗

きっかけはカルタフィルスが蒔いた種。

これを機に
チセは彼女自身の蒔いた種―
それが芽吹いてから散るまでの”一生”と向き合うことになる。

根は芽よりも早く
種から出づるもの。

張り巡らせた根によって閉ざれた扉の奥―
彼女は記憶と心の奥へと招かれる。

根を生やした種は次に芽を出し
葉を増やしやがて花開く。

チセは自身の蒔いた種が咲かせる花を見て
どのように捉え、どのように手を差し伸ばすのか。

“何者か”に刈り取られることなく
“チセ自身”が花に手を掛けるのだ。

第22話はそんなお話。

自分で蒔いた種は、自分で刈り取ることになる

第22話に込められる「As you sow, so shall you reap.」〖パターン2 カルタフィルスの場合〗

一方、
チセに対し種を蒔いたカルタフィルスの場合。

彼は
種を蒔く対象が外部だからと
自分には無関係なのだと
高を括っていたのかもしれない。

自分以外の誰かに
何らかの影響を与えるとはどういうことなのか。

誰かをけしかけることで
自らに皺寄せがくることになるとは想像だにしていなかったのだ。

チセに蒔いた種は
彼にとってもきっかけ。

カルタフィルスの”欠片”がチセが扉の奥を覗き込んだのと同じく
彼自身の記憶の扉はチセによってこじ開けられることになる。

行動した結果は必ず自分に返ってくる
自分の行為に対する報いは受けなければならない

「魔法使いの嫁」第22話の感想

開かない扉、眠りと夢

チセは無機質な部屋にドラコンを視認する。

内からは開かぬ檻に閉じ込められ、
眠りに身を委ねている。

夢と現うつつの彼、曖昧になる存在

『墓場以来』
と言うカルタフィルスに対し
チセは夢の中で会った彼と
目の前にいる彼とが同じではないことを悟る。

夢での彼は
助けを求める声を上げていた。

だけどその夢は
ただの夢―普通の夢ではない。

何故ならそれは
チセが見た夢だから。

ならば
今回のことも例には漏れず
夢での彼の言葉は”事実”にもなり得る。

うつつの側のカルタフィルスは左手の形をしたそれを
チセの左頬に添える。

すると
左手の形をしていたものは
黒い液体と化して地に溶け落ちていく。

チセは拭うように頬に触れて確かめているけれど
彼女の頬には跡形も残らない。

チセを介在した夢の中のカルタフィルスは
現実味を帯びていく。

現実に確かに存在するカルタフィルスの体の一部は
跡形もなく消え、その存在は曖昧さを漂わせていく。

「対極」でありながら「同じ」であるならば

「君は僕と同じだ。
同じくらい、強い呪いを受けてる。
僕はひたすら生き続ける呪い。
君は、死に向かう呪い」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスのセリフより

“正反対”であることを”同じ”だというカルタフィルス。

「呪い」と「祝福」―
これらもまた正反対でありながら「本質は一緒」だとラハブは言った。(第10話参照)

2人が各々の末路に抗おうとすれば
お互いが「祝福」に値する憧憬になる。

交渉、祝福にちらつく呪いの影

カルタフィルスは
ドラゴンの呪いを受けたチセの左腕を差し出すよう求める。

そして彼もまた
自身の一部を対価としてチセに与えると告げる。

それが同時に
死に抗う術の獲得になると言う。

呪いからの解放は祝福であり
死に向かうチセにとっては
それに抗う体を手に入れることもまた祝福。

けれど
報酬ばかりを提示する彼に
チセは不信の念を抱く。

そもそも
以前チセが吐露とろしたように
今の左腕は誰かの救いになれたことの証。

受け止め方としては
「呪い」一色ではない。

今、彼女の目前に示された祝福には
きっと呪いの影がちらついている。

カルタフィルスに選択を迫られるチセの視界には横たわるステラが映る。

この空間には
救いたいと願っていたドラコンもいる。

呪いの影が迫るチセの表情には苦渋の色が、
そして眼の下の隈が濃くなっていく。

異形≠呪い

チセの異形の左腕を移植する前に
混じり気のない各々の左眼を交換することで
拒絶反応の有無を確かめることになる。

それはまたしても
チセにとっては異形の獲得。

「大丈夫だよ。
違う形に変わったりするわけじゃないし」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスのセリフより

チセをどこか煽るような言葉を投げるカルタフィルス。

対するチセは

「変わったとしても、構わない」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥チセのセリフより


拒絶を覆す意志を言葉にして返す。

己の身が異形になることが
「呪い」とは限らないと、左腕の件で知ったからだ。

このときのチセからは
瞳の奥に強い光を感じさせる。

そして
純粋なチセの腕―右手を胸に手を当て
衣服ごとぎゅっと手を握ってみせる。

これは、
ドラゴンの呪いを受けてから間もない頃の挙動と
チセが自身の「呪い」について零した言葉を思い出させる。(第20話参照)

彼女の「呪い」は
右手を当てた胸の奥―心の中に眠っている。

カルタフィルスの戸惑い

チセの言葉を受け、
煽った側のカルタフィルスが戸惑いを見せる。

ここの2人での会話から既に
「As you sow, so shall you reap.」
の要素を感じる。

「異形」への恐怖、「形」へのこだわりは
カルタフィルスのほうが強いのかもしれない。

「なんで、そんなに」

「え?」

「ううん。
やっぱり、僕は君が嫌いだな、って。
手伝ってあげるね」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルス、羽鳥チセのセリフより

ここのカルタフィルス、
声のトーンの変化とてもよい……

置換された左眼から見える世界

瞳の揺らぎ、
抑えた悲鳴、
噴き出す汗、
荒い呼吸。

処置前後のチセの反応を目前ですべて見届けても
自身の「拒絶反応はない」のひとことで終えるカルタフィルス。

他者に影響を及ぼすことには
相も変わらず何とも思っていない。

「君の目玉は
なんだか世界がきらきらして見えるなあ。
羨ましいなあ」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスのセリフより

世界が変わったように見えてもなお
「羨ましい」と言う。

チセの一部を手に入れたとて
カルタフィルスの内側は変わらない。

やはり異形となることが
呪いや祝福そのものになるわけではない。

ここの描写、
残酷にもチセのものだったはずの瞳そのものが
とてもきらきらで綺麗なんだよね……

チセの左眼に収まった瞳は
淀んだ 傷だらけのガラス玉のようで、
光を真っ直ぐ通すことを許さないように見える。

同じフィルターが同じものを等しく映すとは限らない

「僕ら、
この世界で唯一
同じものが見えているんだ」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスのセリフより

この言葉とはあべこべに
2人の対照的な様子が描かれる。

天井へと首をもたげたカルタフィルスの視線の先には
照明の光が宙に舞う塵で散乱し煌めいている。

対してチセは項垂れる。

その視線は
向き合うカルタフィルスとの間にできた陰に向けられる。

視線の先もその先にある光と影が対象的なのもいいよねここ

もしも仮に
全く同じ世界を映すフィルターで全く同じものを見たとして
それ自体にはきっと何ら意味はない。

見る者がどう受け止めどう感じるのか―
その人の心が、見る世界を変えていく。

呪いへの耐性

カルタフィルスは
チセの左腕―体を蝕む呪いを受けた異形の腕を受け取る前に
「呪いをなじませる」時間を設けると言う。

平然とした様子のカルタフィルス。

表情も声色も一方的な言い方をするような態度も
左眼の色彩を変わったことを除けば
何もかもが変わっていない。

生き続ける呪いによって形成された人格は
そう簡単には崩れない。

その一方で
疲弊しきった様子のチセ。

呪いを解く手段を模索していたはずのチセの体は
カルタフィルスの左眼―生き続ける呪いを受けた身の一部を受け取ったことで
死に向かう呪いと生き続ける呪いとで混ぜこぜだ。

体を蝕む呪いでさえ
受け入れようとしていた彼女は
そのあおりを大きく受ける。

「何もしないで 起きたら何もかも良くなってるなんて―」

『眠ってる間に全てが終わるから安心してよい』
との言い分に前話でのエリアスを思い出す。(第21話参照)

けれど
あのときチセはされるがままではなかった。

意志の力で目覚めてみせたのだから今回は果たして―
というところが物語の終盤で収束する。

『眼に残ってる・・・・君の力を借りる・・・
という言い方なのは
チセの『夜の愛し仔スレイ・ベガ』としての能力は
きっと体の一部を与える程度では授けられないということ。

チセの”眠り”、
そしてその中で見る”夢”は特別だ。

カルタフィルスがチセを嫌悪する理由

チセへの嫌悪を再び言葉にするカルタフィルス。

「同じ」ことに嫌悪するとすれば
自分に通ずる何かに不快感を抱いているのか。

「真逆」であることに嫌悪するとすれば
自分の持たざる何かを羨み、妬みや嫉みを募らせているのか。

瞳の交換を経たことの影響で
彼はきっと知らずのうちに自身のことも客観的に見てしまう。

まるで鏡。

カルタフィルスはチセを通じて自分を見つめている。

あんまり詳しくないけれど
心理学でもこういうお話あるよね

「他人の嫌な一面は自分の一面でもある」って

知っていたはずの場所、名、そして笑顔

懐かしいという感覚を覚え
知っていたはずの場所だと気付くチセ。

史輝ふみき」と呼び掛けるチセの母親の声が聞こえる。

弟の名が出るのは初めてのこと。

けれど
チセはまだ『お父さんと』と認識する。

2人の存在が消えるとともに
チセの頭の中から弟の名も眠らせてしまったのだ。

母親の瞳の色は灰色、
元はカルタフィルスの瞳であるチセの左眼に近い色味。

髪は茶色だけれど赤みを感じる。

いつか見た幼い頃の夢のように
明るい表情の母親がそこにいる。

いつかの夢はただの夢としか思っていなかったであろうチセは
母親の笑顔がどんなだったかとようやく確かに思い出す。

この瞬間、
チセの本来の瞳側である右半面が画面に映る。

自らの瞳で真実を見ている。

雨宿り

雨が木造のアパートを濡らしている。

チセは机の下に潜みながら真実を窺っている。

その様子は
室内にいながら雨宿りをしているかのよう。

脅えの表情を浮かべている。

明るい思い出さえも
記憶の奥底に封じ込めてしまったチセ。

きっと先を見るのを恐れている。

家に帰ってきた父親「夕輝ゆうき」も瞳は灰色。

髪の色は黒。

帰宅を迎える様子から
幼い頃のチセは無邪気で明るかったのがわかる。

私も小さい頃は
明るかったんだよな……

(何の話だ)

「似ている」

小さな円卓を囲み
夕ご飯の時間を過ごしている。

目が合ったチセと父親は
揃って満面の笑みを浮かべる。

『お父さん似だったんだなあ』
幼き頃の自分と父親とを見比べながら
父親の顔立ちを思い出すチセ。

ここでもまた右眼側の半面が映る。

「お父さん似」というのは
本人だからこそわかる顔立ちとか
笑顔の感じとかなのかなあ

智世ちせ智花ちかに似て まずい体質』
という父親の言葉から
チセの”体質”は母親―智花から受け継いだものだと認知する。

チセがここで見ているのは
紛れもなく彼女の父と母だ。

羽鳥家のありふれた日常

羽鳥家の日常を切り取った描写が流れていく。

チセと父親の寝覚めのシーン、
2人揃って左手は足元に、右手は顔の辺りに。

ここでの描写もチセと父親に似通ったものを感じさせる。

そして
こうしたありふれた家族らしい日常のなかに、
当たり前のようにまがいものと接する描写が差し込まれる。

チセは脅えながら母親に抱き着き
父親は前に出て祓っている。

父も母も視える人。

日常の一部を切り取った描写からは
夕輝智花智世史輝
親子それぞれ相互に触れ合っているのが分かる。

チセも弟も
父親と母親との愛情を偏りなく受け取っている。

ここでようやく
顔の半面ではなく
両目を通して記憶を見つめるチセの表情全体が画面に映る。

満遍なく注がれていた愛情を
両方の眼に焼き付ける。

現実と夢、呪いと祝福

チセは今見ているものが
自身の記憶だと―
それがカルタフィルスに見せられている夢だと認識する。

明晰夢めいせきむ

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

そして今度は
左腕が脈打つことに気付く。

現実で
左腕に干渉があったのかもしれない。

その直後、
異変を感じた様子のチセの目の前に彼がいるのに気付く。

彼女は
現実にも夢にも機敏になり
それぞれの変化を行ったり来たりしながら認知している。

チセは
現実で対面していた彼の名を呼びかけようとして言い留まる。

左眼を髪の下に覗かせて
見下ろすように立つ彼は影を思わせる。

「あなた、あいつじゃない」

「僕は、切り離された”あれ”の欠片」
「”あれ”は色んなものをくっつけて取り込んできた。
本当の”あれ”はどれなのか、
そもそも、自分がなんだったのか。
もうわからなくなってるんだよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ、カルタフィルスの”欠片”のセリフより

“欠片”の彼は
カルタフィルスから切り離された存在という。

同化し続けては
自分を見失っていく”あれ”―カルタフィルス。

それを語るのは
異端としての”欠片”。

まるで”影”のようなそれは
“影”でありながら
チセよりも高い視線に位置し俯瞰ふかんする。

「どうしてこんな昔のことを、
私に見せるの?」

「たぶん、嫌がらせ」
「それ(左腕)は君を傷付けてもいるけれど、
守ってもいる。
君がこうして僕のようなものと話せるのも、
そのせいだ。
ああ、母親のこともそうかな」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ、カルタフィルスの”欠片”のセリフより

呪いと祝福。

現実と夢とを同時に受け止めるチセは
果たして『母親のこと』をどう受け止めるだろうか。

チセは右手を”欠片”へと伸ばす。

すると
『決心』がつかないうちの接触は避けるようにと告げ、
靄のように消えていく。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

『母親のこと』を呪いとして抱える彼女は
決心―心に何かを決めること―によって
心のうちにあるものを祝福に変えられるだろうか。

覆われ隠される、心と記憶

泣き出す史輝ふみきを片腕で抱きながら
ミルクをつくる父。

振込用紙と思われる紙が
壁に何枚も重ねて貼られている。

解消しきれぬままでは
壁を覆い尽くしてしまうかのように
この層に厚みを生んでいく。

ホワイトボードの左側には
夜勤、早朝勤の日程。

そして右側には
光熱費の支払いや家賃引き落としの予定が
それぞれ書き込まれている。

夕輝ゆうき智花ちか、2人で支え合いながらも
普通の生活を許されない状況を感じさせる。

窓の外に何かいるのを
視線だけ送り眼に捉える夕輝ゆうき

眼を赤く光らせ
小さく丸い耳をもつ小動物が部屋をうかがっている。

普通とは違う何かがちらつく生活。

周りの人間と住む世界が同じとて
視えるものが違えば
その暮らしも当然違う。

夕輝ゆうきの眼の下には
チセの目元にもよくみる隈が濃く浮かぶ。

この目元も表情も
チセにとてもよく似ている。

玄関先にて
目を覚ました幼きチセに
声を掛けられ夕輝ゆうきは目を見開く。

『チセも…ぁいや』
チセと離れがたいという気持ちは
言葉にせぬまま口をつむいでしまう。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会 公式サイトより引用

出ていく間際に見せた笑顔は
困ったような、泣くのを堪えているような、
本当の気持ちを隠した笑顔。

そしてチセは
その夜を最後に
父親をその家に出迎える日が来なかったことを思い出す。

『ちょっとだけだから、待っててな』
あの夕輝ゆうきの言葉の裏にある覚悟の真意は
明かされない。

そしてチセの心と記憶も
呪いによって雁字搦がんじがらめになっていく。

開かずの扉

扉の向こう側へと歩み行く父と弟とを
声を張って呼び止めるチセ。

「君の記憶はそこまでだから
この扉は開かないよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスの”欠片”のセリフより

父と弟の行方は未だ分からない。

開かずの扉。

この扉が閉じられると同時に
チセが本当の記憶の扉も堅く閉ざしてしまう。

埋もれる余白、それは赤く澱みを帯びて

『この日から』
の記憶には覚えがあるチセ。

それは幾度となく記憶として蘇った
心を呪うあの記憶だからだ。

「怖がっちゃいけないって言ったのは
お母さんなのにね」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 智花ちか のセリフより

視えざる類のものを引き寄せてしまうのが
智花ちかの『体質』であり”呪い”ともいえる。

夕輝ゆうきは『守り男』であり
彼女にとっての”祝福”。

それを失った智花ちか
自分に対してもの戒めもままならず
“呪い”に絡めとられる。

雨の日。

洗い物が溜まっている。

寝不足の眼をしている智花ちか
机に突っ伏している。

襲われているチセに気付かず
一足遅く助けに入る。

『守らなきゃ、守らなきゃ。しっかりしなきゃ』
自分こそが残されたチセの祝福であろうと
言葉を繰り返し、
気を張り詰めていく。

「~しちゃいけない」
「~しなきゃ」
とても苦しいね…

明くる日も雨。

外を歩けば
聞こえるざるものの声、
聞きたくもない言葉が智花ちかの耳に入る。

冷蔵庫に貼られた支払いの用紙は
種類も枚数も増えている。

埋もれていく。

智花ちかの髪は長く伸びている。

生活に余白がない。

それは心も同じ。

『大丈夫』
と自身に言い聞かせるように繰り返す智花ちか

長く伸びた髪は
赤みが強く見える。

灰色の瞳はその澱みの濃さを感じる。

雨上がり、壊れた心と溢れる涙

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会 公式サイトより引用

チセの祝福であろうと
心に繰り返し唱えてきた智花ちか
ふいに自らの解放を願う。

祝福を求める。

ほんの一瞬の願い。

同時にそれは
ほんの一滴の澱みでもある。

葛藤する智花ちか

けれど
ほんの一滴の澱みといえども
その広がりは留まることはない。

髪の色の赤も
灰色の瞳の淀みも
濃くなったかのように描かれる。

智花ちかの心は澱みで満ちていき
祝福は呪いに転じる。

『あなたなんか、―』
2回目に言葉を繰り返したとき、
大粒の涙を零す。

ここ、
灰色の瞳が緑色に見えるね

『私何をしたの―』
そしてふと我に返る智花ちか

青空の見える窓際へと足を運んでいく。

耐え忍んでいた日々、
長く続いていた雨は止んでいる。

ここの幼きチセ、
母親の自分に対する言葉と行為に
脅えもせずに母親の元へ近寄っていくんだよね
あの行為自体が呪いになったわけではなかったのかな

晴れ渡る青空のもと
涙を流さず耐えてきた智花ちかの瞳から溢れ出る涙。

チセを守りたいという祝福の願いは
最終的に自らを責め苛む呪いとなる。

許しを乞い
笑顔を浮かべながら
地に落ちていく。

天気と涙の反転が
なんとも言えない気持ちにさせるの……

本当の、

智花ちかからの3回目の言葉。

地に落ちてしまったはずの彼女。

ここから先は、
チセの”内側”にいる母親だ。

『嫌がらせ』のような言葉を吐く彼女に
チセは一連の行動の真意を突き詰める質問を投げかける。

そして
目の前にいる彼女の正体を口にする。

チセが、明らかにする。

「あなたは、本当のお母さんじゃない。
あなたは、私の中のお母さん」

「私がつくったお母さん」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

ここ、
「そうだよ」ってとても頷いちゃったシーン
チセ自身の心との会話だね

チセの口元には笑みが浮かぶ。

首に残る痕が薄れていき
跡形もなく消える。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「ネヴィンと話せてよかった」

「アンジェリカさん、サイモンさん、
アリスたちに、リンデルさんや、
妖精の国の人たち。
ルツ、シルキー、
ステラ、
―エリアス」

「色んな人たちに会えてよかった。
そうじゃなけりゃ、
私は”あなた”に会う前に
きっと死んでたから」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより
©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

笑みは口元だけじゃない。

ちゃんと笑顔。

澱みがかっていた左眼も
右眼と同じく光が宿ったように見える。

チセ自身がつくった
チセをを呪う母親ではなく
本当の母親との出会い。

「お母さんは私のために、
頑張ってくれたんだよね」

「頑張って頑張って、
それでも最後に―」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

黒い殻のようなものが剥がれ落ちて
空に消えていく。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

ネヴィンとの会話を思い出すチセ。

『君は自由だ』

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 ネヴィン のセリフより
©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

チセの背部から
ガラスの欠片のようなものが
羽のように空に散っていく。

心を堅く凝り固めていたものは
軽やかに、とても軽やかに、
宙を舞う。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

開いた左眼には
やはり光を感じる。

獣のようだった左腕は
既にチセ自身の人間らしいそれの形。

首の痕、
眼に宿る光、
左腕。

徐々に、
チセ本来の姿に戻っていく。

手放し、繋がっていく

ドラゴンの呪いが断ち切られた左腕に
右手を添え言葉を続ける。

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「うん。許さないよ。
お母さんのこと、大好きだった。
楽しい思い出だってたくさんあった」

「なのにあの日から、
そんなの全然思い出せなくて」

「でも お母さんのおかげで私は、
自分よりも放っておけない、
好きな人に会えた」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

祝福は呪いに、
呪いは祝福に。

祝福と呪いは互いに絡み合い
そのどちらかだけがもたらされるとは限らない。

『しっかりしてると思ったら、かなり困った人だったけどね』
エリアスもまた
導き手としての一面のみを持つわけではない。

だけど
こんな風に笑って言えるチセがきっと、
闇を纏ったエリアスを光へと導く。

「うん、だから―
だからさ、ありがとう。
あのとき、あの手を放してくれて」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

母親の手に
チセは自身の手を添える。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

あのとき
母親は手を放し
生かしてくれたから
今、チセは生きている。

随分と長い時を苦しみ
その時間も決して無かったことにはならない。

けれど
それを経たからこそ
今のチセがいる。

「許さないけど、
私はまだ、あなたを忘れないけど、
あなたを置いて
前に進むよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより
©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

母親に添えた手を放し
そして離れていく。

智花ちかは最後の最後に
チセを苦しめる手を放してくれた。

だから今度はチセも
チセ自身を苦しめる母親を手放す。

母が子を手放し
子もまた母を手放す。

どちらも離れていくことには変わりはないけれど
その行為によって”繋がり”は確かにもたらされる。

チセは
呪いを無かったことにはしない。

許さず、忘れもせず
ただそのままを受け止めて
祝福への道を歩みを進める。

記憶の中の母親が
花びらとなって消えていく。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

彼女たちを囲んでいたのは
赤、白、黄色の、
ポピーの花畑。

蒔かれた種は
芽吹き、花となって咲き誇り、
やがて散っていく。

「As you sow, so shall you reap.」

チセはきっと
自身で蒔いた種の咲かせる花を
誰でもない自らの手で摘み取ったのだ。

花びらが空高く舞っていく。

その様はまるで
チセのこれからの未来が自由であることを
意味するようで。

チセのこれからが自由であって欲しいと、
そう願わざるを得ない。

ポピーの花について解説
「ポピー」という名前の由来

「ポピー」は
「ケシ属」に分類されるお花です。

「ポピー」 「Poppy」も
「ケシ属」「Papaverパパヴェル」も
ラテン語である「papa」から由来するそうです。

「Papaver」ってラテン名には
聞き覚えがあるよ~
薬学生の頃、生薬を学んだときの朧気な記憶

「papa」は古い時代のラテン語で
「お粥」を意味する単語です。

古くの時代では「ケシ属=Papaver」の乳液、
厳密にいえば「ケシ=Papaver somniferumソムニフェルム」の乳液が
鎮静作用のためや眠りを促すために
よく使われていました。

幼子おさなごを寝かし付けるために
このケシの乳液が「お粥=papa」にも加えられていたことから
植物や属の命名に繋がったようです。

ちなみに
日本で一般的に見られるポピーは
「園芸用ケシ」に分類されます。

「魔法使いの嫁」の
今回のお話の描写にもあるように
彩りの素敵なお花。

エリアスたちの暮らすような英語圏では
こういった園芸種と区別するために
医療分野で使われるケシを「opiumおうぴあむ/おぴうむ poppy」と呼ぶそうです。

はっ……

おぴ・・うむ…!

オピオイド・・・・・鎮痛薬」
の由来はこれか!

日本だと
「薬用ケシ」「阿片あへんケシ」と読んで
園芸種と区別しているみたい。

学会等では
「ソムニフェルム種」と
呼ばれることもあるそう。

この辺りの区別についても勉強した覚えがあるよ~
限られた研究所だけで栽培される
医療用のケシがあるんだよね

「アヘン」は
医学・薬学領域では欠かせない有効成分の原料です。

「ポピー」にも色々な種類があります。

植物から抽出される乳液に
「アヘン」というアルカロイド成分を
「含むか含まないか」というところが
重要な境い目になります。

「アヘン」が採取できないもの、
つまり栽培の規制がないものが
日本のお花屋さんに出回っていて
園芸種として親しまれています。

ちなみに花言葉について。

細かくは後述にありますが
睡眠導入薬や麻酔薬として用いられていた歴史から
「眠り」「心の平静」「いたわり」などの言葉が
イメージとして与えられたようです。

ポピーの花言葉について

ポピーの花言葉には
明るい意味合いのものが多いです。

花全体としては、
「いたわり」「思いやり」「恋の予感」「陽気で優しい」
などの花言葉をもちます。

品種ごとに花言葉も異なるようで
「妄想」「夢想家」
などちょっと独特なものもあります。

『私がつくったお母さん』
というチセの言葉からは
「妄想」という花言葉も
合っている感じがするね

そしてポピーは
赤、白、黄、オレンジ、ピンク、青……
と彩りたくさんですが
色事に花言葉の雰囲気も違います。

ここでは
「魔法使いの嫁」で登場した
「赤」「白」「黄」のポピーの花言葉を紹介します。

赤いポピーの花言葉

赤いポピー
なぐさめ」、「感謝」や「喜び」。

作中、
チセは母親に「ありがとう」という言葉を掛けました。

そして
花びらが空に散っていくかのように消えていった母親にとって
そんなチセが「慰み」になり得たのではないかなあと
思わせてくれます。

白いポピーの花言葉

白いポピー
「眠り」、「忘却」、「疑惑」、「推測」、そして「我が毒」。

「明るい花言葉が多い・・
という言い回しを選んだのは
白いポピーには明るさを覆す「毒気」を感じたからです。

「眠り」については
花の名の由来でも言及したように
ポピーの薬としての実用性に関する歴史から
その花言葉のイメージを連想しやすいです。

また
ギリシャ神話のエピソードが
核たる由来になっているそうです。

ポピーの花にまつわるギリシャ神話より

豊穣の女神デメテルには
愛娘ペルセポネがいました。

ある日、冥王ハーデスは
この女神の娘ペルセポネに一目惚れし誘拐してしまいます。

愛娘を失った女神デメテルは
豊穣の女神としての仕事を放棄するまでに心に傷を負い
地上も荒れ果てていきます。

悲しみに暮れ
眠れないほどに傷付いたこの女神に対し
眠り神ヒュプロスが白いポピーを贈ります。

白いポピーの花を受け取ると
女神の心には平穏が訪れ
安らかな眠りがもたらされました。

果たすべきことを「忘れ」
眠れないほどに傷付いた心は
白いポピーの贈り物によって
「心の安らぎ」、「安らかな眠り」がもたらされる―
という物語。

白いポピーの花言葉である
「眠り」「忘却」は
この神話から由来しているのです。

「忘却」については
安らかな眠りによって悲しみをも忘れさせた―
という観点からも連想できます。

他にも
白いポピーの花の可憐な美しさが
仕事や勉強など何も手に付かなくなるまでに魅了してしまう―
という西洋のエピソードがあり
これが「忘却」という花言葉を生んだ説もあるようです。

さて
今回の「魔法使いの嫁」について。

チセは
「眠り」を通じて
「忘却」された自身の記憶を見つめ直す―
というお話でした。

「我が毒」は
言わずもがなチセが心に抱える呪いと捉えられます。

カルタフィルスの「嫌がらせ」そのものが「毒」。

「眠り」のなかでチセが見た記憶も「毒」。

だけど
「忘却」された「毒」に触れることを通じ
結果的にチセは「心の平穏」を取り戻してみせます。

こうして物語と照らし合わせると
この白いポピーの花言葉がとても腑に落ちるのです。

黄色いポピーの花言葉

黄色のポピー
「富」や「成功」。

色から連想しやすいなあという印象。

黄色は
「お金」や「財産」
といった言葉をイメージさせる色。

そこから広がって
「金銭的に豊かになる」
「社会的に成功する」
という言葉が込められたようです。

言葉だけで物語に繋げるとしたら
「成功」が今回のお話に近いかな。

黄色って
前向きにさせてくれるような色だしね

さて、
それではポピーの花言葉については
ここで切り上げるとして。

最後にもう少しだけ、
物語の感想を語ります。

それぞれの「As you sow, so shall you reap.」

チセは改めて”欠片”に対し
その正体を問う。

心に住まう母親との決別を経て
既に決心はついている。

「僕は 生かし続ける者。
彼の為に与えられた、
呪いと祝福」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスの”欠片”のセリフより

ヨセフ―カルタフィルスに課せられた
呪いであり祝福でもあると言う”欠片”。

「彼らは君に 僕を蒔き、
君は僕を受け入れようとしている」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスの”欠片”のセリフより

「As you sow, so shall you reap.」

チセは彼ら・・の悪意によって
「呪い」の種を蒔かれる。

それを彼女は受け入れることで
「祝福」として摘み取ろうとしている。

チセが左腕の「呪い」を受け入れ
ドラゴンから人の形に戻るという「祝福」を獲得したように
きっと今 向き合っていることも
そうなり得る。

「だから、
君が生きたいと望む限り
僕は君の祝福になろう」
「君を蝕みながら守るけだもの
永遠に噛み
裂き合ってでも。」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 カルタフィルスの”欠片”のセリフより

「望み」が「祝福」の鍵を握る。

「あなたは、
あなたは何を望むの?」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

チセは
カルタフィルス―ヨセフの「祝福」となる
鍵の居場所を探る。

同時に
祝福を受ける代わりに差し出す
対価を問う。

当たり前に
受け取るだけで済ませない
チセが素敵

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

すると
彼らから”切り離された欠片”に聞こえ続けた
たった1つの「望み」があると言う。

そして描写は
夢から現実へ。

カルタフィルスはチセを見下ろし
己の瞳だったはずのそれが
彼女に馴染んできたことを認める。

そして『醜い』と嘲笑う。

自分の一部を移す前も後も
チセへの嫌悪は変わらない。

自らの「呪い」を他者に植え付け
それを同じように「呪い」として捉える。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

ふいに
チセの眼に光が戻り始める。

カルタフィルスの首に手をかけ、
その瞳には強い意志を宿らせる。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「私も、
あなたのやり方を真似るよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

「As you sow, so shall you reap.」
―「因果応報」。

カルタフィルスの行動は
チセの行動によって彼自身に返ってくる。

自らの行動に対する報いを
受けることになる。

現実での意識を確かに持ちながら
夢の中で言葉を続けるチセ。

現実と夢、
どちらにも意識を通わせている。

「望みが叶えられるかどうかは分からない。
ただ、聞いて。
なんとかしようと動くことはできる」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより

これぞチセだよね

かっこいい

“欠片”が差し出す手に
チセが自らの意思で
笑顔を浮かべながら手を合わせにいく。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

助けを求める声が聞こえる。

何百年も何千年も、
カルタフィルスとヨセフが叫び続けてきた「望み」。

「私は知らない。
あなたたちがどうしてそう望んでいるのか。
そう思ってるのに、
どうしてこんなことしてるのか―、
してきたのか。
だから、知りに行く」

アニメ『魔法使いの嫁』第22話 羽鳥 チセ のセリフより
©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

彼らが閉ざしてしまった記憶の奥底。

チセがそうされたのと同じように
「望み」を鍵に携え、扉を開きに行く。

〖ひとりごと〗続きます

前回の和訳記事からだいぶ間隔があいてしまった。

書いてみよう!
と思ったジャンルの記事に立て続けに取り掛かってみたはよいものの
そのどちらともにやたらと時間が掛かったのが原因です。

毎日記事のこと何かしらしているはずなのに
捧げる時間の確保できなさ具合がすごいから
本当に亀。

方向性がとっ散らかっているから
慣れようにもなかなか慣れられないのもあるのだろうなと思います。

さて
「魔法使いの嫁」のこの和訳シリーズも完結させたいので
とりあえずですが再開できました。

中途半端に書き残した下書きを開いたら
記憶がすっぽり抜け落ちていて「なんじゃこりゃあ」でした。

ちょっとずつ感覚を解きほぐしながら
無事投稿することができて何よりです。

よかった。

ポピーについて
調べていた時間が意外にも楽しかったです。

薬剤師という職に繋がる知識も散りばめられていたし
好きなクリエイターさんのルーツを感じるきっかけにもなったし
ぱっと世界が開けた感覚が忘れられない。

それにしても
なんだか書き方がだいぶ変わっちゃってるかも……。

過去記事を読み返さずに突っ走ってしまったからだね。

アニメ「魔法使いの嫁」を観るには

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