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〖魔法使いの嫁〗アニメ 各話タイトル和訳まとめ〖#21〗

アニメにっき
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はじめに

アニメ「魔法使いの嫁」の各話サブタイトルについてまとめています。

「これってどういう意味?」を知ると
「魔法使いの嫁」をもっと好きになるようなサブタイトルばかりです。

英語のフレーズだからと見過ごしてしまうには勿体ないくらい素敵。

心に留めておきたくなるような言葉に意訳してみました。

アニメ「魔法使いの嫁」のよさをもっともっと深めて貰えたら嬉しいです。

今回は 第13弾 第21話のタイトル和訳です。

「魔法使いの嫁」はアニメ作品が出会いです。

原作にまだ触れていないぶん理解の浅さはあるかもしれないけれど
各話ごとに最低3回は観返すほどに”好き”という気持ちは確か。

よろしければどうぞお付き合いください!

TVアニメ「魔法使いの嫁」公式サイト ©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

  1. #21 Necessity has no law.
    1. サブタイトル「Necessity has no law.」の和訳と解説
    2. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹それぞれの、”貴方”への想い
    3. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹「君は自分の道を走ってる?」
    4. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹逃げ切って、忘れるために
    5. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹救いの連鎖、そんな愉快を待つのさ
    6. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹大切なモノを天秤にかけるということ
    7. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹魔女の集会を後にする2人、その違いは
    8. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹1つの重しを守るために
    9. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹求め、対価を支払うエリアス
    10. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹棘で削ぎ落とし研ぎ澄まされる闇
    11. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹チセの目指す「治す」について
    12. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹当事者の意向が及ばずとも
    13. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹チセの心に根付くリンデンバウムの樹
    14. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹「何もしないで、何もかも良くなるなんて」
    15. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹「必要」は鋭く、闇を纏う
    16. 「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹2つの名を持つ者との取り引き、そして選択
  2. 〖ひとりごと〗続きます
  3. アニメ「魔法使いの嫁」を観るには

#21 Necessity has no law.

サブタイトル「Necessity has no law.」の和訳と解説

直訳すると

「必要は法律を持たない」
「必要の前に法律なし」

前者は直訳、

後者は諺として訳される一節で、こちらは語感がよい印象

「necessity」は「必要」と訳すことが多いみたい

「necessity」は辞書にならって細かく分けると4つの意味に訳されます。

ここでは、私のさじ加減で簡単にざっくりと3つの意味にわけて紹介します。

それぞれ通ずるものを感じさせるけれど、使いどころが違うのをなんとなく分かっていただけたら嬉しいです。

「necessity」の意味
  1. 〖概念的な意味合いで〗必要、必要性、必然、不可避、不可欠なこと
  2. 〖「物」という意味合いで〗必要なもの、必需品
  3. 貧困、窮乏きゅうぼう窮境きゅうきょう

ちなみに……

  • 窮乏きゅうぼう=酷く貧しいこと
  • 窮境きゅうきょう=どうにもならない苦しい境遇・立場

という意味だよ

1つ目と3つ目との意味を絡ませると
このフレーズでいうところの「necessity=必要」の程度がイメージしやすいと思います。

状況としては
「切羽詰まっている」
「必要に駆られている」
「どうしようもない」
「そうするしか手がない」
……という感じ。

貧しさ故にどうにも苦しい状況ならば
従うべき規律を気に掛ける余裕なんてないのかもしれない。

目の前の苦痛を切り抜けるためには
守るべき規律を見て見ぬふりをすることすら最善になり得ることもあるのかもしれない。

こんなイメージ。

ここまでを踏まえて、「Necessity has no law.」の解釈に移ります。

意味

どうしようもない状況で必要に駆られれば 法や掟を破らざるを得ない

日本のことわざでいう「背に腹は代えられぬ」に近いです。

分かりやすく言い換えるなら「背中にお腹の代わりは務まらない」。

「腹」には五臓六腑が詰まっていることから「腹=守るべき重要なもの」とされています。

そして「背」の内側にもまた内臓はあるけれど
背骨に覆われていることから「背=多少の犠牲を負うのはやむを得ないもの」とされています。

これらを由来として
「要といえる腹の代わりは背には務まらない」と謳っているのです。

この諺が何を意味するのかというと
「真に大切なものを守るためには、他の何かを犠牲にするのはやむを得ない」
ということ。

重要な目的を果たすため、大きなことを成し遂げるため、
差し迫った苦痛や困難を切り抜けるため、追い込まれた状況を打破するため、
こういった本当に大切なことを見据え、優先順位を決めて犠牲を払うことも必要だという教えです。

どちらも大事なことには変わりない。

それでも そのどちらかを選ばなければならないときはある。

望んで選ぶ道ではない
そうせざるを得ない、
受け入れなければならない、
そんな「葛藤」をも感じさせるような言葉だなと思いました。

思えば私も……
こうして文字に起こすのに時間を費やす代わりに趣味にあてる時間を切り捨てているんだね
かと言って本当はどうでもよかったとか大事じゃなかったとかではないもんね

さてこの第21話では
エリアスがとった選択、そしてそれが及ぼす波紋こそが「Necessity has no law.」。

彼よりも前に 「必要」を突き詰めようとした者もいる。

その者から受けた言葉がエリアスを突き動かす。

そしてエリアスの行動もまた、チセの選択を迫る。

すべてが、繋がっている。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹それぞれの、”貴方”への想い

アドルフ・ストラウドは
リンデルさんのドラゴンの国での在住を「縛られている」「出られない」と言う。

「なに、わしがあそこにいるのは 新しい時代を苦手としたからよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 リンデルのセリフより

それに対しリンデルさんは自身の居場所と留まることについて肯定的な言葉を返す。

後ろ向きな捉え方をしているかつての弟子に対し「優しい子」とも称する。

『魔法使いに、なれなかった。貴方あなたの役に、立ちたかった。
半端な 出来損ないなのに こんな雑務くらい 簡単にできなきゃ、僕は ここに いちゃ いけな…』

疲弊しきったアドルフは自責の言葉と共に涙をこぼす。

彼が魔術師として生きるのには理由があった。

それは 魔法使いになれなかったという挫折の背景。

負い目を感じさせるような言葉から
彼がリンデルさんのために彼に継ぐ管理人になろうとしていたことを思わせる。

だけどなれなかった。

これはすなわち、リンデルさんがドラゴンの国に居続けることになった理由にも繋がる。

アドルフが管理人になり得なかった代わりに、リンデルさんが管理人であり続ける。

捉えようによっては「犠牲」―きっとそれを重く苦しく感じているのがアドルフだ。

一方でリンデルさんは今の道を良しとする。

居場所を1つに決めたことに関してアドルフをとがめる気持ちはさらさらない。

かつての弟子として大切に想うことさえ窺われる。

この2人の根底にあるのは「本当に大切なもの」への想いだ。

サブタイトルの「法を破らざるを得ない」ほど強くはないけれど
「大切なことのために他の何かを捧げる」という要素を感じます

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹「君は自分の道を走ってる?」

かつての師のもとを離れ 別々の道を歩んでいても尚、
アドルフが今の道を生きる理由はリンデルに深く根付いている。

それが今回のように疲弊するまでに突き動かした理由でもある。

レンフレッドのようにお酒で感情を乱すことはなくとも
「居場所」を他者に求め、やり場を失った感情を涙にする―そんな子供に還るような一面が彼にはあった。

『君は自分の道を走ってる?』
以前アリスに問いかけたアドルフ自身は果たして……。(第19話参照)

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹逃げ切って、忘れるために

「ほんと、赤毛といい こいつといい、人間は変ですよ。
嫌なことからは逃げちゃうか忘れればいいですのに。
わざわざ自分で自分を苦しませるなんて」

「それは、何年生きてもわからんなあ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 セルキー、リンデルのセリフより
©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

逃げると 尾を引くこともあれば後味が悪くなることもある。

忘れるというのは、時には覚えることより難しいこともある。

どちらにせよそう簡単なことではない。

たとえ苦しくても、きちんと向き合うことが綺麗に逃げ切ったり忘れたりするための方法なのかもしれない。

それがきっと乗り越えるということ。

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹救いの連鎖、そんな愉快を待つのさ

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

チセはエリアスに手を差し出し、一緒に・・・眠りにつく。

そして招かれた魔女の集会にて司祭であるピュリスと出会う。

彼女は、動揺を隠さないマリエルをなだめながら
『ドラゴンを生かしたまま 呪いを解く方法は無い』と包み隠すことなくチセたちに告げる。

「しかし、彼らの望みを叶えられぬのに
我々が彼らに助力を願うのは筋違いというものだろう」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ピュリスのセリフより

同時に、マリエルがドラゴンの呪いを受けたチセを利用しようとしていたことも判明する。

けれどその目的はピュリスの運命を変えること。

『気持ちはありがたい』
このマリエルへの声掛けは、リンデルさんがアドルフに掛けた優しい言葉を思わせる。

ピュリスを大切に想う気持ちの強さ故に
マリエルは『筋違い』にならんとしたのだ。

ここにもひとつの「Necessity has no law.」があったね

『私はこの樹に、身に移した呪いを封じようとしたが、しくじってしまってね』
根によって大樹に繋ぎ止められたピュリスは
今のチセのように身に呪いを宿した過去を持ち、それを封じようとした末路の姿だった。

「気にするな。
人はいずれ朽ちるものだ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ピュリスのセリフより

枝でチセの言葉を遮るピュリス。

彼女は自身を縛るモノを、意志と共に操ることができる。

これは共存だ。

生きていながら『いずれ朽ちる』ことを柔らかに受け入れている彼女は、
終わりとも”共存”している。

「今は自分の心配をしなさい。
を助けるのは、自分を助けてからでよいのだ」

「私はもう長いこと生きたし、この様も 証のようなものだ―
己が人に手を差し伸べることができたという」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ピュリスのセリフより

ピュリスは「助けるにも順序がある」とチセに説く。

そう諭す彼女自身、己の現状を受け止めることで自身の救いを果たしている。

そのうえで、先の道を歩む者として救いの言葉を与える。

「助ける順序」、難しいね

この助言もひとつの基準なのかもしれないね

「助けるには値しない奴だって言ったわ」

「そうとも。
しかし、その先の未来は我々には分からん。
どの道を生き どうあるかは、人の自由だ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 マリエル、ピュリスのセリフより

『助けるには値しない』
これはかつてのチセが自分自身を軽んじていたことのよう。

そしてこの会話からチセはとある存在を思い出す。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「いつか その者が別の誰かの呪いを解くかもしれん。
そんな愉快を、私はここで待つのが楽しみなのさ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ピュリスのセリフより

ああああフィロメラああ
(物語の過程かなりすっ飛ばし)

ピュリスとチセ―呪いを宿す者同士が繋がりを得たように、
呪いを解かれた者同士の救いの連鎖もあるのかもしれない。

そんな愉快を、私は画面の外側で眺めるのが楽しみなのさ

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹大切なモノを天秤にかけるということ

『命の代わりにするものは、命しかないわよ』
魔女の集会を後にするエリアスに耳打ちするマリエルの言葉。

雲行きが怪しい。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「どっちかを選ぶっていうのは 難しいわね」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 マリエルのセリフより

苦しい表情を見せるマリエルは、天秤にかけるモノの重みを知っている。

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹魔女の集会を後にする2人、その違いは

収穫は得られずにチセとエリアスは魔女の集会を後にする。

手を繋ぐこともなく、視線の向く先も別々なまま。

このとき、
姿がぼやけていくのも、目覚め起き上がるのも
エリアスのほうが先・・・・・・・・・だった。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹1つの重しを守るために

「ルツ、君はチセを選ぶだろう。
何があっても」

「……?当たり前だ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 エリアス・エインズワース、ルツのセリフより

先のマリエルとは裏腹に
彼らの選択の過程には天秤にかけるという過程がみえない。

チセを蚊帳かやの外に動き始めるエリアスとルツ。

このとき、チセは起きている。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

『収穫はありませんでしたけど、頑張りましょうね』
エリアス向けた言葉と笑顔は、届いていたのだろうか。

チセが抗う意志を言葉にしてくれたのが私は嬉しかったから
この流れはなんだか悲しくて虚しい……

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹求め、対価を支払うエリアス

『風を見る目と鼻を貸せ。好きなだけ喰っていい』
風の妖精であるエアリエルと交渉をするエリアス。

力を借りて辿り着いた先ではトーリーとも出会い、
ここでも何かを得るために何かを支払うという描写がある。

魔術書?禁書かな?エリアスが探していた物

代わりにトーリーには何を差し出していたのかな

どんな言葉を交わしていたのかな

うううこれは原作を読むしか……?

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹棘で削ぎ落とし研ぎ澄まされる闇

「雰囲気がすっきりしてる。
どこか 目指すところがある、みたいな。
今まで君は、私が見てきた10年間 ずっとぼんやりしていたような気がするから」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 サイモン・カラムのセリフより

「こんなにもやらなきゃいけないと思ってことを為すのは、初めてかもしれない」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 エリアス・エインズワースのセリフより

サイモンがすっきりと感じたエリアスの雰囲気は
蓋を開けば漂うのは闇だ。

世間に溶け込む人の仮の姿をしていても、棘と闇を纏う。

この辺りのシーン、曲もね……

『君と一緒に確かめにいくことはできる』
前話にてチセに告げた言葉。

その意志も削ぎ落とし
纏ういばらのような危うさを感じる。

過去10年間にもない、まして初めてだなんて
目指すところ……チセの命を守ることがよっぽどの原動力なんだね

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹チセの目指す「治す」について

子守唄を唄い、ドラゴンに体を寄せるチセ。

この行動には、母として子を想うように、ドラゴンへの想いを感じさせる。

ここに、エアリスと交渉したのとは別のエアリエルが現れる。

『酷いにおいね』『何よ、この醜い体』
なじる言葉からはチセへの思いやりが滲み出る。

『なんともないよ。すぐ治すから』
これに返す声色が優しい。

悪い状態から改まったり、良い状態に戻ったりする―それが「治る」ということ。

他者に何度となく呪いによる体の異質を指摘されようと
異形自体には難色を示さないという姿勢は変わらない。

今の彼女にとって悪い状態というのは
「生きたい」という願いが閉ざされること。

つまり「治す」というところの本質は、死に抗うということだ。

「あなた、まるで脱皮したみたいね」

「ちょっと前向きにしてみたんだよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 羽鳥チセ、エアリエルのセリフより

再び笑顔を見せる。

『前向きにしてみた・・・・
心に抱えた呪いはすでに癒しの過程にある。

根っからがそうじゃなくても
「前向きであること」って自分でどうにかできることなのかもしれないね

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹当事者の意向が及ばずとも

チセはエリアスの企みに感付いている。

そしてエリアスとルツの言葉から
その企みにはチセの意向を含む余地はないことを知る。

1人で突き進んでしまうこと、抱え込もうとしてしまうことを改め、
エリアスと一緒に歩むことを決めた矢先のことだった。

今度はエリアスが先走る側だ。

チセほどにぱっと走り出しているわけではない。

けれどそれは
悟られないように、見られないように、
暗い裏道で先回りするかのような……。

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹チセの心に根付くリンデンバウムの樹

「大丈夫。
君はきちんと立ち上がって追いつける。
そのための力が君には育ち始めているのだから」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ネヴィンのセリフより

立ち上がるには、重力に逆らわなければならない。

先を行く者と距離を縮めるならば、それよりももっと速く進まなければならない。

その両方を可能にするのは力だ。

チセにはそれが芽生えつつある。

気を失った意識の中、彼女をそう励ましたのはネヴィンだった。

過去に、チセはネヴィンとの対話で「己と話すこと」を果たしていた。(第12話参照)

「でも、とても怖いんです。
追い付いた先に何があるのか、
エリアスが何をしようとしてるのか、
どうしてあんなこと……」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 羽鳥チセのセリフより

例え追い付こうとも、見える世界が同じとは限らない。

どこまで距離を縮めようとも、他者は他者であることには変わりない。

未知の世界に足を踏み入れるのにも、の思惑に踏み込むのにも、不安は付き纏う。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

「関係ないさ。
己がやらなければならないことを、いつも確かにしておくことだ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ネヴィンのセリフより

望みや目指すところを鮮やかに思い描き、強い芯にする。

それこそが立ち上がり、前に進むための原動力だ。

チセが見届けたネヴィンの最期は
リンデンバウムの樹に還るさまだった。

その幹は芯の強さを思わせるようで、とても立派な樹だった。

「私が君を導いているのではないよ。
ここにいる私は、君が心の中に住まわせてくれている私だ。
君こそが、君を導いているんだよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ネヴィンのセリフより

今、チセが居るここはドラゴンの国ではない。

リンデンバウムの樹に還ったネヴィンは
チセの心にしっかりと根付いていた。

かつてドラゴンの国で学んだ「己と話す」ということを
今度は他者の導きなくしてチセ自身によって成し遂げられた瞬間だった。

ネヴィンとチセのように
「自分以外の誰か」が内側に刻み込まれるように受け継がれていく感じが素敵

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹「何もしないで、何もかも良くなるなんて」

「自ら困難の波に溺れることはない。
嵐の海をしっかり羽ばたいて飛んでいきなさい。
君がしなければならないと決めたことは―」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 ネヴィンのセリフより

翼を持っていることも、
翼が飛ぶための力を備えていることも、
実際に飛ぶという行動によってチセは既に証明してきた。

飛べるならば、あとは意志を力に変えるだけだ。

それは荒波をも乗り越える力になる。

セルキーの言う「嫌なことから逃げる、忘れる」も
波に流されるだけじゃできないことかもしれないね

「何もしないで 起きたら何もかも良くなってるなんて、
そんな魔法みたいなこと 1度もなかったよ」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 羽鳥チセのセリフより
©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

行動することを放棄して
流されるような日々を過ごした過去をもつチセだからこその言葉。

そして何より、
「やれることをやる」を身をって為し遂げ
救われる者がいることを知ったチセだから言える言葉だ。

魔法は「何もしない」を覆す万能薬ではない。

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹「必要」は鋭く、闇を纏う

「自分のためなら他人がどうなってもいい僕が怪物だというのなら
君もやっぱり怪物じゃあないか」

アニメ『魔法使いの嫁』第21話 カルタフィルスのセリフより

エリアスの動向に迫り
チセの彼に向ける眼差しからは光が消える。

闇が伝う。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

言葉にならない声色からは怒りが滲み出る。

自身の感情にすらうとい彼は
チセのこの心の揺れ動き―怒りを感じられているのだろうか。

『来ないでください。行くのも駄目』
2人の間には壁が、ルツには囲いがうまれる。

『ごめん』
『それは何に対して?』
『ステラを、君の身代わりにしようとしたこと』

謝罪の言葉は彼の本心からではない。

一時しのぎのそれは
当然チセにも届かない。

求めていた言葉でもない。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

『私は一緒に……!一緒に考えさせて欲しかった!』
『約束は、してない』

共に歩むという道に闇が落ちる。

エリアスのいばらは守る対象であるはずのチセを寄せ付けない。

『こうするのはステラだと思った。
君はステラに、僕にするのとは違う顔を向ける。
それはとても嫌だ』

チセの命の代償としてステラを選んだ理由は
エリアスのごく個人的な欲にまみれたものだ。

チセには犠牲の対象を自分以外に向けるという選択肢がないのだから
相容れないみぞには怒りが生まれる。

『僕は、君が生きてくれるならそれでいいんだ』
カルタフィルスに『怪物』と揶揄やゆされても自分本位の主張は揺るがない。

「Necessity has no law.」でいう「必要」が悲しい形で鋭く突き詰められてしまったね……

「一緒に考える」という選択を捨てて、
「生かすことが何よりも先だ」という選択をしたんだ

エリアスの選択は「筋違い」だ。

「君」の命が守られたとしても
そこに宿るものの重みを推し量れていない。

「君」を本当に大事に想うというのは
「君」が大事に想うものにも心を馳せるということだ。

チセはエリアスの無機質な頬をぶつ。

その痛みはぶったチセの手にも返り、
血の通う彼女の手には赤みを帯びる。

これは心の痛みの表れでもあるのは、彼女の表情からも明らか。

『愚か者』
エアリアルにはエリアスがそう映る。

カルタフィルスの言う「怪物」が色濃くなる。

「魔法使いの嫁」第21話の感想▸▹2つの名を持つ者との取り引き、そして選択

カルタフィルス―ヨセフ。

2つの名を持つ者がステラの身を乗っ取っている事実にチセは気付く。

『応じてくれるんなら、
僕は直にくる君の死を否定する術を提供してあげてもいいし、
この子も返してあげる』

取り引きはチセ1人に対してのもの。

それに応じれば
エリアスと共にまだ見ぬ道を歩むという選択は見限ることになる。

それでも 約束された報酬は
生き延びる方法、ステラの命、
いずれも今のチセが切望するものだ。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

『私は、今のあなたの傍にはいられない』
今の「怪物」じみたエリアスの傍にいることよりも
カルタフィルスの取り引きに応じることを選ぶ。

それが、躊躇いなく他者を痛めつけてきた者であったとしても。

「Necessity has no law.」―チセが「必要」を突き詰めた究極の選択。

本当に大切なものだったとしても、「どちらも」は選べない。

このときチセの身から離れ地に落ちたのは
エリアスとの繋がりである首輪だった。

©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会

カルタフィルス、
名という「大切なもの」が2つもある彼は
代わりに大きなものを欠いている存在なのかもしれないね……

〖ひとりごと〗続きます

2024年を迎えましたね……。

ようやく今年の1記事目を書き終えたよ。

もう既にひと月の半分が過ぎている。

そしてこのブログを開設して半年間という節目もとうに過ぎている。

節目として振り返れるお話もあるのでそれを書いてもよさそうです。

相変わらず文字を起こすのに頭を悩ませがちなので、もっとさくさく書けるようになりたいです。

「さくさく」がどのくらいかというのを具体的な数字にして今年は励んでいきたいです。

数値化って難しいよね。

あと、難しい言葉を使ったらかっこいい!という安直な考え方も少しずつ砕いていきたいです。

そもそもこのシリーズ、もはや和訳記事ではない気がする。

感想記事というほど感想みもないよね……。

コンセプトや流れというものも考えられるようになりたいです。

とはいえ、残すところあと3話分になりました。

ちょっとわくわくしてきた。

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