アニメ「魔法使いの嫁」の各話サブタイトルについてまとめています。
「これってどういう意味?」を知ると
「魔法使いの嫁」をもっと好きになるようなサブタイトルばかりです。
英語のフレーズだからと見過ごしてしまうには勿体ないくらい素敵。
心に留めておきたくなるような言葉に意訳してみました。
アニメ「魔法使いの嫁」のよさをもっともっと深めて貰えたら嬉しいです。
今回は 第6弾 13~14話のタイトル和訳のまとめです。
「魔法使いの嫁」はアニメ作品が出会いです。
原作にまだ触れていないぶん理解の浅さはあるかもしれないけれど
各話ごとに最低3回は観返すほどに”好き”という気持ちは確か。
よろしければどうぞお付き合いください!
TVアニメ「魔法使いの嫁」公式サイト ©2017 ヤマザキコレ/マッグガーデン・魔法使いの嫁製作委員会
#13 East, west, home’s best.
サブタイトル「East, west, home’s best.」の和訳と解説
「東に行っても 西に行っても 家が一番」
「East,」も「west,」もそれぞれ方角を指す副詞ととらえて
「~(方角)に行っても」と訳しています。
実際に声に出して読んでみると
「East, west, home’s best.」
と語感がよいのが楽しいフレーズです。
今回は直訳からも意訳しやすいです。
どこに行っても 我が家に勝るところはない
お家大好き人間には馴染みがよい言葉だね
見知らぬ土地に憧れたり
繰り返す日常から 非日常を求めて遠くへ赴いたり―
でも 結局のところ 慣れ親しんだ空間が落ち着くもの。
「家がいちばんだわ」という言葉を漏らした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どこまでも遠く 果てまでも 放浪したとしても
最後に行き着くところとして求めてしまう。
それが「我が家」たる由縁なのだと思います。
「魔法使いの嫁」第13話の感想▸▹チセの成長を見守る
さて 「魔法使いの嫁」の物語に触れていきます。
この第13話では
久しぶりに再会した2人の日常を じっくり見守れる回でもあり
チセとエリアスの新たな関係性が見える回でもあります。
「魔法」や「人ならざる者」が存在する世界の”日常”にこんなに憧れることないよ
他者に興味をもち 距離を縮めようとするチセの姿勢からは 成長 が感じられる一方で
これまで導き手のような存在だったエリアスには 不完全さ が浮き彫りになってきました。
チセは ネヴィンとの会話で得たものを
すぐに行動に起こしたり わからないなりに自分で考えたりしているところが素敵です。
「実際に行動すること」「考えること」
どちらも並行させるのって難しいよね
ドラゴンの国で募らせていた
「エリアスと思い出を共有したい」「会いたい」「知りたい」
という思いは 始めはなかなか行動に起こすことができないチセ。
躊躇いが拭えずに タイミングがくるのを待っている姿はなんだか親近感。
直ぐに会ってでも話したいことがあったはずなのに
だから ドラゴンの国から 魔法を使ってまで帰ってきたのに
「そもそも何を話せば?」とチセの気持ちは迷子状態です。
他人事と思えないね…
「自分から動く」って誰にとっても難しく思えるときはあるだろうし
「会話」も簡単なことではないよね
「魔法使いの嫁」第13話の感想▸▹「温度感」と「2人の先生」
雪蟲の冷たさがそうさせているのか 照れもあるのか
エリアスと触れ合うことに「熱い」と言葉を漏らすチセ。
エリアスはエリアスで
チセのいないときは「寒かった」―チセに触れていたら「温かい」と。
夏であるにも関わらず
チセのいない時間を暖炉を焚いて過ごしていた姿を思い出します。(第12話より)
傍からみたら見当違いなことをしているようなことでしか
その場をやり過ごすことができない。
感情というものに疎いから
チセのいない間に感じていたものに戸惑っていたんだね。
「温かい」というのにしても
触れ合うことによる物理的な人肌の温かさも間違いではないけれど
エリアスが感じていたものは 他にもきっとある。
自分の気持ちを閉じ込めずに―むしろ半ば勢いに任せていたところもあるけれど
エリアスに真正面から気持ちを伝えたことで得たものが大きい。
顔を赤らめるチセも見どころ
チセはエリアスと関わるうえで
どのようなことが嬉しくて どうなることを怖いと思っているのか―
エリアスの思い込んでいた「チセの感じているであろう恐怖」とを擦り合わせる。
エリアスは「寒さ」を「寂しい」という感情であることをチセから教わり
チセはエリアスの不完全な一面を知り 子供のようだ。
このときの2人はどちらも嬉しそう。
こうして
エリアスに「魔法の先生」として与えてもらうだけではなく
チセはチセで「人間の先生」として与える側にもなります。
2人の関係性が変わったのは チセの行動あってこそだね。
「魔法使いの嫁」第13話の感想▸▹与える側へ
チセはサイモンを気遣い、ニワトコのシロップを贈ります。
すると サイモンは エリアスから初めて貰ったニワトコのシロップのことを語ってくれます。
「あいつは優しい」
チセのくれたシロップは当時貰ったものと「同じ味だ」
と笑顔をみせる。
チセは ここでもネヴィンの言っていた「繋がり」を実感できたのではなかろうか。
エリアスの優しさを。
エリアスからしてもらったことや学んだことを 彼と同じように他者へ与えられるようになったことを
自分が「優しさ」を与えられる側にもなりうる存在だということを。
「魔法使いの嫁」第13話の感想▸▹灰の目の名言
「血の繋がりは個として生きるには些細なことよ」
アニメ『魔法使いの嫁』第13話 灰の目のセリフより
「人間はいつも無用に物事を考えすぎる―
ただただ本質に溺れればいいものを」
第13話は 冒頭といい 締めといい 灰の目が良い味をだしている。
ぼんやりとした表現で なんのことかしら とは思ったのですが 刺さったセリフです。
些細なことに気を取られずに
本質を見据えて思考せよ
ということかな
#14 Looks breed love.
サブタイトル「Looks breed love.」の和訳と解説
「容貌は恋を生む」
「美貌は恋を生む」
「looks」は名詞としてはざっくりいうと「見た目」のこと。
人の容姿に関していえば「美的な評価」を含む意味合いで使われることもあります。
直訳を2つにしたのはあえてです
一目惚れ
第14話では リャナンシーとジョエルの物語が再び。
第9話のことも振り返ると「一目惚れ」は一方通行というわけではなく
お互いに というのは言わずもがな。
「魔法使いの嫁」第14話の感想▸▹灰の目は何をしたいのか
「さあ―行くがいい。
アニメ『魔法使いの嫁』第14話 灰の目のセリフより
今のお前にはその力がある。
お前が最後に立ち止まったその場所が お前のあるべき野になるだろう―」
チセは灰の目の計らいによって狐の毛皮を被り
人の望みに答えるという代物によって エリアスの元から走り去ってしまう。
エリアス言葉を聞くに
灰の目にとってチセは都合が悪い存在かのようにも聞こえます。
高みの見物というか ただのお戯れのようにも見えるのですが
チセに「自由」な世界の片鱗を見せるきっかけをつくってくれたようにも見える。
「魔法使いの嫁」第14話の感想▸▹チセはどこに行きたかったのか
誰もいないところへ、「向こう側」へと楽しそうに駆けていく狐のチセ。
「呼ばれている」というのは
人狼の皮に化かされたことによるチセ自身の本能が感じるものかな。
その一方で「誰かが耳のそばで叫んでいる」と
エリアスの呼びかけも聞こえている。
どこまでも付いていくよと言うルツとの掛け合いでは
「このまま行くのか?」「あっちはもうよいのか?」という問いかけられます。
家に戻ってから「向こう側」に思いを馳せるものの
ルツには「向こうを望んでいたとしても止めて欲しい」と言う。
チセは自由を求める心も奥底に秘めてはいるけれど
エリアスとの生活にも心地よさを感じているから
狭間で揺れながら どこかで自分を抑え込んでいるのかもしれない。
「魔法使いの嫁」第14話の感想▸▹「寒い」のは嫌い
灰の目とのやり取りからは
他者から遠ざけられてきた過去はエリアスにとって「寒い」ものだったことがわかります。
エリアスにとって
チセを失うことは大きな損失だと感じているようです。
エリアスが狐のチセに始めにかける言葉は
「まだわからないことがたくさんある」「いないと困る」
という表面的なもの。
そんな声掛けよりも
彼女が教えた「感情」と「言葉」がエリアスの口から出たことがチセの心を揺らしたようです。
エリアスは「寒くて 寂しい」という心の温度と感情を伝えることで
チセが自分の元から離れていかないように引き留める。
チセもエリアスの想いを受けて帰るべき場所を思い出します。
「寒いのは私も嫌い」とエリアスの言葉を同じように使って答えを返してあげるのもチセのまた優しいところ。
たまらんですね
「魔法使いの嫁」第14話の感想▸▹「愛するということ」と「呪い」
第9話でも
リャナンシーはジョエルに向ける感情を「愛」ではないと否定し
この第14話でも
「違う」「愛していない」―と。
でもリャナンシーがジョエルから「離れられない」という事実は
つまりそういうこと。
「愛していない」とこんなにも苦しそうな顔で言うことではないけれど
リャナンシーが「愛する」ことを本当の意味で認めるとジョエルを失うことになる―
リャナンシーも「呪い」にとらわれています。
「なら それは悪くない―悪くない人生でした」
アニメ『魔法使いの嫁』第14話 ジョエルのセリフより
「怖ろしいですとも。
誰だって死は怖ろしい。
ですが 逃げられるものではない」
ネヴィンの還る姿といい
ジョエルのその時の迎え方といい
私には尊いものに感じられます。
怖いという気持ちはあれど
生きることをまっとうできたからこそ出てくる言葉だと思います。
「体から大事なものが抜けていく」という感覚があるというのは
エリアスが告げようとしたように
知らず知らずのうちにリャナンシーが命を吸い取っていたということなのでしょうか。
ジョエルは自らの望みとしてリャナンシーの愛を受け止め
同時に命を与えるという形で愛をも伝える道を選びます。
死は怖いと思う心はどこかにあるはずだけれど
それでも彼は「呪い」とは思っていないと暗にリャナンシーに行動で示す。
リャナンシーも呪いから解放されたことだろうと思います。
「魔法使いの嫁」第14話の感想▸▹やりたいことのために魔法を使う
「魔法を使うとき うんと目を凝らす。
アニメ『魔法使いの嫁』第14話 チセのセリフより
そうすると ゆらゆらと揺れる光が遊んでいるのが見える。
これが魔力と呼ばれるもの―らしい。
それは夜の星の色に似ている。
かと思えば 海みたいに青かったり 森の中みたいな緑だったりして 時々朝焼けのように白む」「まとまって―揺り籠みたいに 包むように」
どこか詩的。
「魔法」の帯びる色彩や 自然からの為るものとを感じさせるような表現が好き。
チセが魔法を使う理由はいつも素敵です。
誰かが自分のためにしてくれたことを そのまま自分の行動として返すためだったり
自分に向けてくれる笑顔を守るためであったり。
「自分のため」と「誰かのため」が繋がる行動には価値がある。
「魔法使いの嫁」第14話の感想▸▹「悲しみ」とエリアスの「もやもや」
ジョエルが「還る」
リャナンシーが「愛する人を失う」
という出来事はチセを悲しませます。
失ったことの辛さなのか
自分の為したことにやりきれない思いがあるのか
人間の先生をする余裕がない様子です。
エリアスはエリアスで
チセが悲しんでいるであろうことはわかっても
自分がどう感じているかはわかっていない。
でも チセが悲しんでいるという事実に対しては
エリアスの心にも何か「もやもやする」ものとして引っかかるものがあるようです。
ジョエルが妻を失って感じたもの
リャナンシーがジョエルを失って感じたもの
これらを見届けてチセが感じたもの
これらの「悲しみ」をエリアスが「悲しみ」として感じるときは 一体どんなときになるのでしょうか。
〖ひとりごと〗続きます
久しぶりの新規投稿です。
ねえ和訳は?という感じになってしまいましたが
和訳だけさくっと読みたいよ!な方が困らないように
かろうじて見出しはつけるという努力はしました(小声)。
こういった文章を書くのが不慣れなので
過去の記事を読み返したらなんじゃこりゃだったのでそちらもちょこちょこ修正しております。
数をこなして慣れるのが大事な段階なのかしらと思っています。
チセを見習って「考えながら」「行動する」を意識していきたいです。
読んでくださる方がちょっとでもいるのがとても嬉しいので
和訳シリーズ完結させるのが目標です。
アニメ「魔法使いの嫁」を観るには
よいものはよい。「魔法使いの嫁」はよい。
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